住友ファーマ(4506)が息を吹き返した件。「利益5倍」は本物か?それとも最後の逃げ場か?

株式取引

どうも。

今日、今マーケットで一番「香ばしい」銘柄、住友ファーマ(4506)について語らせてくれ。

みんな、正直この銘柄のこと「終わった」と思ってただろ?

親会社の住友化学がおかしくなって、ラツーダ(稼ぎ頭の薬)の特許が切れて、
期待の新薬(ウロタロント)もコケて。

「あとはいつ上場廃止になるか、どこに身売りされるか」

そんな冷ややかな目で見てたはずだ。

ところがだ。

1月30日に出た第3四半期決算を見て、市場の空気が一変した。

  • コア営業利益:前年同期比 5.1倍
  • 最終利益:前年同期比 5.1倍

は? 5倍? 誤植か?

と思ったよな。俺も二度見した。

株価も反応して底値からリバウンドしてるわけだが、ここで投資家が知りたいのは一つだけだ。

「これ、完全に復活したんか? それとも、ただの一時的なお祭り(騙し上げ)なんか?」

今日はこの一点について、決算書の数字をねちっこくひも解きながら、プロの視点で「買い」か「売り」かを白黒つけていく。


第1章:決算の数字が「バグった」理由を整理する

まず、今回のお祭り騒ぎの発端となった2026年3月期 第3四半期(4-12月)の数字をおさらいしよう。

項目金額前年同期比
売上収益3,477億円+18.6%
コア営業利益1,094億円+408.5%
四半期利益1,077億円+407.5%

文字通り「爆益」だ。

前年同期がリストラ費用やら何やらで沈んでた(215億円)ってのもあるが、それにしても1000億円の大台に乗せてきたのはサプライズ以外の何物でもない。

じゃあ、なんでこんなに儲かったのか?

IR資料を読み込むと、理由は綺麗に3つに分解できる。ここを理解してないと、高値掴みして泣くことになるからよく聞いてくれ。

① 北米の「三本の矢」がようやく飛び始めた

住友ファーマの命運は、アメリカで売ってる3つの新薬(基幹3製品)にかかってる。こいつらが売れなきゃ会社が潰れる、そういうレベルの薬だ。

今回の決算では、特に「オルゴビクス(前立腺がん治療剤)」が覚醒した。

  • オルゴビクス: 売上1,156億円(前年同期比 +76.3%
  • ジェムテサ(過活動膀胱): 売上519億円(前年同期比 +31.7%
  • マイフェンブリー(子宮筋腫): 売上187億円(前年同期比 +24.2%)

見ての通り、オルゴビクスが化け物級の成長を見せている。前立腺がんの薬市場ってのは巨大なんだが、そこでシェアをゴリゴリ奪ってる。ジェムテサも順調だ。

つまり、「本業の薬が売れて儲かった」という、一番健全な形の増益が含まれている。これはポジティブだ。

② 「血の滲むリストラ」の効果が出た

これは経営陣を褒めるべきか、切られた社員に同情すべきか悩むところだが、北米子会社(サノビオン)でやった大規模なリストラが効きまくってる。

販管費(販売費及び一般管理費)の減り方がエグい。

「売上が伸びてるのに、経費は減ってる」。そりゃ利益率は跳ね上がるわな。

まさに「贅肉を削ぎ落として筋肉質になった」状態だ。これもポジティブ材料としてカウントしていい。

③ 【最重要】ここが落とし穴!「マイルストン収入」

さて、ここからがプロの視点だ。手放しで喜んじゃいけない理由がある。

今回の利益には、ファイザーとの提携に関連する**「マイルストン収入」が含まれている可能性が極めて高い。 簡単に言えば、「薬がいっぱい売れたから、契約通りボーナスあげるね」**ってやつだ。

これ、いくらだと思う?

IR資料の注釈や変動幅から推測するに、数百億円規模の影響があるはずだ。

何が言いたいか分かるよな?

この「数百億円」は、来期(来年)には無くなる金ってことだ。

今回の「利益5倍!」という見出しに釣られて、「来年も再来年も5倍成長だ!」なんて皮算用をしてると死ぬぞ。

実力値(ベースの収益力)は確かに回復してるが、今回の数字は「ドーピング(一時金)」込みの記録だということを、頭の片隅に叩き込んでおいてくれ。


第2章:親会社「住友化学」という時限爆弾

住友ファーマを語る上で避けて通れないのが、親会社である住友化学(4005)の存在だ。

ぶっちゃけ、ここ数年の住友ファーマの株価が冴えなかった理由の半分は、この「親の財務悪化」にあると言っても過言じゃない。

住友化学も、石油化学事業がボロボロで巨額赤字を出してる。

「金がない親」と「稼ぎ頭を失った子供」。これまでは「共倒れ心中」のリスクが囁かれてたわけだ。

だが、今回の決算で状況が変わった。

子供(ファーマ)が、急に親(化学)よりも稼ぎ始めたんだ。

ここで考えられるシナリオは2つ。どっちに転ぶかで、株価の動きは天と地ほど変わる。

シナリオA:親が子供を「売る」(TOB・再編)

市場の一部(特にハゲタカファンド連中)が期待してるのはこっちだ。

住友化学は喉から手が出るほど現金が欲しい。

で、住友ファーマが「黒字体質の優良企業」に戻ったなら、高く売れるチャンスだろ?

外資系製薬メーカーとかに、プレミアム価格でズドンと売却する。

もしこれがあれば、株価は今の倍になってもおかしくない。

いわゆる「イベントドリブン(再編期待)」の買いだ。

シナリオB:親が子供を「飼い殺す」(グループ内維持)

今回の決算を見て、住友化学の経営陣がこう考える可能性もある。

「あれ? ファーマ売るのもったいなくね? こいつの利益を連結に取り込めば、俺たち(化学)の決算も見栄え良くなるんじゃね?」

こうなると、売却話は立ち消えになる。

その代わり何が起きるか?

「配当搾取」だ。

親会社のために、無理やり高い配当を出させられたり、研究開発費(将来の種まき)を削ってでも親に貢献させられたりするリスクが出てくる。

長期投資家にとっては、これが一番寒いシナリオだ。

個人的な読みとしては、今の株価上昇は「シナリオA(再編期待)」を織り込みに行ってる動きに見える。

だが、住友化学がどう出るかは完全にブラックボックスだ。

ここが、住友ファーマへの投資が「分析」じゃなく「賭け」にならざるを得ない理由なんだよ。


第3章:チャートと需給から見る「勝負所」

ファンダメンタルズの話はこれくらいにして、次はチャート(値動き)の話をしよう。

正直、今の住友ファーマの値動きは「投機(ギャンブル)」の色が濃い。

空売り勢の「踏み上げ」相場

今回の決算発表前、機関投資家の空売り残高はどうなってたか知ってるか?

パンパンに積み上がってたんだよ。

「どうせまた赤字だろ」「住友化学もろとも沈むだろ」と高を括って売り浴びせてた連中が、
あの決算を見て顔面蒼白になった。

「やべえ! 利益5倍!? 逃げろ(買い戻せ)!」

今の株価上昇の初期衝動は、このショートカバー(買い戻し)だ。

実需の買いというより、売り方の損切りで上がってる。

この燃料があるうちは、株価は理屈抜きに強い。

テクニカル的には、長らく続いた「下落トレンド」の分厚い雲を突き抜けた形になるから、チャートの形だけで言えば「買い転換」のシグナルが出てる。

でも、上値には「死体」が転がってる

ただ、一本調子で上がるかというと、そう甘くはない。

過去数年、この銘柄はひたすら下がり続けてきた。

つまり、1000円、2000円、あるいはもっと高いところで買って、損切りできずに塩漬けにしてる「含み損ゾンビ(シコリ玉)」が大量にいるんだ。

株価が上がってくると、こいつらが「やっと助かった…」と売りを出してくる。

いわゆる「やれやれ売り」だ。

特に600円〜800円のゾーンは、過去の出来高が多いから、ここを抜けるには相当なパワー(出来高)が必要になる。


第4章:結局、今から買っていいのか?

ここまで読んでくれたあんたに、俺なりの結論を渡そう。

投資判断は自己責任だが、プロならこう動く、という戦略だ。

結論:短期なら「買い」、長期は「まだ早い」。

【短期戦術】イナゴの背中に乗る

今の相場は「強い奴につけ」だ。

決算の数字(利益5倍)のインパクトは強烈で、このニュースを見て遅れて入ってくる個人投資家や、まだ逃げ遅れてる空売り勢がいる限り、トレンドは上を向く。

デイトレ〜数週間のスイングトレードなら、押し目(下がったところ)を拾って、加熱感が出たら即逃げるスタイルで十分に値幅が取れるだろう。

損切りラインは、決算発表前の水準(窓埋め)に設定しておけば、リスクリワードも悪くない。

【長期戦術】次の四半期まで「待ち」が正解

「NISAに入れて10年放置したい」みたいな長期投資家へのアドバイスは真逆だ。今はまだ買うな。

理由はさっき言った通りだ。

  1. 今回の利益には「一時金(マイルストン)」が含まれてる。来期の実力が不明。
  2. 研究開発(パイプライン)がスカスカなのは変わってない。5年後に売る薬がないリスクは消えてない。
  3. 住友化学がどう動くか不透明すぎる。

本当の「復活」を確認したいなら、次の本決算(5月)か、その次の第1四半期を待て。

そこで「マイルストン無しでも、ちゃんと高い営業利益率を維持できているか?」を確認してから入っても、全く遅くない。

底値で拾いたい気持ちは分かるが、落ちるナイフを素手で掴みに行く必要はないんだ。

「頭と尻尾はくれてやれ」。胴体だけ美味しくいただけばいい。


編集後記:製薬セクター全体の文脈で考える

最後に、ちょっと視野を広げて製薬業界全体の話をして締めくくろう。

今の日本の製薬株は、二極化が進んでる。

  • 勝ち組: 第一三共(ADCで世界覇権)、中外製薬(ロシュとのタッグで最強)、武田薬品(配当と規模で安定)
  • 負け組(再生中): 住友ファーマ含むその他大勢

住友ファーマは、今回の決算でようやく「負け組の集中治療室(ICU)」から出て、「一般病棟」に移れたくらいのレベルだ。

まだ退院はしてないし、リハビリは続く。

ただ、株ってのは不思議なもんで、「優良企業がさらに良くなる時」よりも、「ボロ株が普通の会社に戻る時」の方が、株価の上昇率は高かったりする。

そういう意味で、今の住友ファーマは、ギャンブラーの血が騒ぐ最高のオモチャであることは間違いない。

もしあんたが「安全に配当が欲しい」なら、悪いことは言わない、武田かアステラスを買っとけ。

でも、「リスクを背負ってでも、市場の歪み(ミスプライス)を取りに行きたい」というハンターなら、今の住友ファーマは最高の猟場かもしれないぜ。

現場からは以上だ。

次の決算で、この「5倍」が幻じゃなかったことを証明してくれるのを祈ってるよ。それじゃ、また。


【30秒でわかる】今日の記事まとめ

この記事の要点を3行でまとめると、こうなる。

  1. 「利益5倍」はガチ。 北米の新薬(オルゴビクス)が爆売れし、リストラ効果も出ている。ただし「一時的なボーナス収入」も含まれているので、来期も同じだけ儲かるとは限らない。
  2. 親会社(住友化学)の動向が鍵。 稼げるようになったファーマを「高く売る」か「飼い殺して配当を吸う」か。前者のシナリオなら株価は爆上げだが、これは賭け(ギャンブル)に近い。
  3. 戦略は「短期決戦」一択。 空売りの踏み上げ相場に乗るなら今がチャンス。ただし、長期保有するなら「次の決算で真の実力」を見てからでも遅くない。

(免責事項:本記事は特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。あと、住友化学が明日いきなり変な発表しても俺を刺さないでくれよな)

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